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2.ビハーラ20年の歩み

私たちの教団では、1986(昭和61)年にビハーラ活動を実践するため必要だった組織体、「ビハーラ活動研究会」を発足させました。そして、翌年の1987(昭和62)年「ビハーラ活動者養成研修会」をスタートさせるため第1期の募集に入りました。もちろん、その前に可能性・方向性などを考究するため、当時の伝道院において研究チームを発足させていました。
その結果59名の応募があり、内訳は男性49名、女性10名でありました。僧侶が90%を占め、寺族2%、門信徒8%でした。このようにして始まった養成研修修了者たちも、第18期修了時点で総計998名(男性476名、女性522名、僧侶64%、寺族10%、門徒26%)となり、各教区や施設・病院などの拠点でともに活動しているビハーラ活動者は、現時点で6,440名となっております。
私たち念仏者の生きる姿勢は、かけがえのないいのちの尊厳にめざめ、そのめざめたものが御同朋とおもいやり、生きるところにあります。しかし、人の一生は、生・老・病・死の人生であり、生苦・老苦・病苦・死苦を逃れることができません。それらの苦悩する人々に寄り添う具体的活動として、「ビハーラ活動」に取り組んできました。そしてこれまで、ビハーラ活動は不安に共感し、苦悩を和らげる全人的な支援ケアをしてきました。
そして、2007(平成19)年11月1日、本願寺において「ビハーラ20周年記念大会」を、「ビハーラ活動20年-さらなる飛躍を願って-」のテーマのもと開催いたしました。
この過去20年の歩みをふり返り、「ビハーラの今」を明らかにすることによって、これからの飛躍の可能性を探ってみたいと思います。
ビハーラ10年を省みたとき、1980年後半から進んだ医療技術による生命操作や高度経済成長に伴って急速な少子高齢化社会の訪れは、社会的な混迷を深めたことを指摘しました。どちらかといえば、これまで隠されていた生老病死に対する社会的要請から、人間の「いのち」のありようを改めて根源的に問いなおさざるを得ない状況になったともいえると、述べました。
そこでビハーラ20年を省みたとき、政治や経済はもちろんのこと、自死する人が年間3万名いる日本の状況からみても、さらに混迷を深めた時代であるかが伺えます。
しかしそのことは、真実の宗教そのものの真価が問われているときであり、同時に真実の宗教に生きる人間の生きざま、苦悩する人々へのかかわり方が問われているときでもあります。
ビハーラ実践活動は、つねにその時代を認識しつつ、そのおかれている人間状況を見詰めつつ、現代社会の「いのち」の問題に取り組む教団として、また教団人としての社会的責務ととらえ、自覚的に積極的に取り組んで具体的な活動をしてきたといえるでしょう。
ビハーラ活動に着手して最初の10年は、試行錯誤の連続であった「歩きながら考える」式の歩みでありました。しかし、社会的に大きな注視を浴びたこの萌芽の第一ラウンドが、その育んだハードとソフトの蓄積を的確に集約し、次の第2ラウンドに生かせるかにかかっていました。
そのような期待も、20年目を迎えたいま、続けてきた養成研修会の初期修了者の人たちの高齢化や個人活動にとどまる人などもあって、拡大発展一路であったビハーラ活動も、ここにきてやや滞留してきたきらいが見えます。しかし、いつでも教団全体の社会的かかわりを支えてきたのは、教区ビハーラの活動でした。それは蓮如上人500回遠忌法要のため、活動者養成を休止した時、停滞の恐れを指摘されましたがその困難を乗り越えることができたのも、たゆみのない教区ビハーラを中心とした活動にありました。またそれらを、中央のビハーラ活動推進協議会(現在のビハーラ活動推進委員会)もビハーラ活動専門部会(現在、企画研究専門部会・養成研修専門部会)も支援し活性化を促すため、研究し、育成し、資料発行等々を進めてきました。(注:1999年度から2000年度の2年度は活動ネットワーク専門部会が設置されました。)

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