ご報告 <あそかビハーラ病院事業譲渡について>  

 2022(令和4)年10月1日、あそかビハーラ病院の運営を公益財団法人・神戸国際医療交流財団(後藤章暢代表理事「西本願寺医師の会」会員)が設立した一般財団法人・日伸会ビハーラ医療福祉機構(後藤彰大代表理事、以下「日伸会」)に譲渡した。なお、事業譲渡後も日伸会において、緩和ケアが必要な患者の入院受け入れ、浄土真宗本願寺派が派遣するビハーラ僧の常駐と朝・夕のおつとめ・法話、患者や家族の要望に応じた病室における傾聴・看取りの実施など、これまで病院で行われてきたビハーラ活動を継続する。また、「あそかビハーラ病院」の名称は変わらず、病院の建物は日伸会に有償貸与する。

2023(令和5)年度 事業計画

(1)あそか花屋町クリニック

あそか花屋町クリニックは、浄土真宗本願寺派の協力により、令和3年6月に開所し、これまで新型コロナワクチン接種を中心に地域医療の貢献を行ってきた。しかし、医療従事者の安定化が図れなかったこともあり、当初からの目標である、かかりつけ医療機関への転身は諮れておらず、安定した運営ができていない。
地域の医療機関として根差すべく、あそかビハーラ病院の事業譲渡先である一財)日伸会ビハーラ医療福祉機構(以下「日伸会」という。)に、経営安定化を含めた、あそか花屋町クリニックの今後の医療事業計画について相談し、以下の事業計画にかかる提案を受けた。令和5年度のあそか花屋町クリニックの運営は日伸会に経営を委託管理いただくことを前提に下記事業計画の通り推進していきたい。

①新規医療事業計画(日伸会の提案概要)

1)医療体制の安定化(医師のマネジメント)

あそか花屋町クリニックにおいては、個々の医師同士の連携もなく、医局としての機能が成立していない。毎日、医師が替わる診察状況では、地域医療機関として定着は困難であり、このことが経営安定化を阻む要因でもある。
令和5年度以降、あそか花屋町クリニックの医師配置については、公益財団法人神戸国際医療交流財団(以下「神戸財団」という。)のもつ独自の医師ネットワークを活用し、日伸会の医局が全面的に支援、管理する。医師を安定的に派遣することで、これまで苦慮してきた医療体制の安定化を実現いたし、地域のかかりつけの医療機関として地位を確立のうえ、経営の安定化が実現できる。

2)脳神経外科の診療科目設置と在宅医療の開始

Ⅰ.脳神経外科の設置

現在、あそか花屋町クリニックにおいては内科を中心として、消化器内科、整形外科を標榜している。新たに脳神経外科を加え、CTスキャン機材を利用した外来診察を行うことによって高度な健康管理を実現することができる。
CT画像については、近隣の京都武田病院をはじめとする病院に紹介を図り、すみやかな患者の画像提供が可能となる。
日伸会からの派遣医師として、西崎知之医師(公益財団法人神戸国際医療交流財団附属研究所研究所長)を脳神経外科医の常勤院長職にて登用を軸に運営を行いたい。西崎医師は脳神経外科が専門であるが、内科の診療実績も豊富で患者からの信頼度は非常に高く、現在も多くの患者を抱えている。

Ⅱ.在宅診療(往診)の開始

坂口健太郎医師による、近隣住民や地域の会社・団体職員に対し、往診を積極的に行いたい。患者については、京都武田病院等、在宅医療を行っている近隣の医療機関等に対し紹介いただくことを想定している。週1,2回程度実施いたし、地域医療に貢献したい。

3)患者確保のための広報活動強化

あそか花屋町クリニックの広報については、新築移転時に新聞折り込みチラシやホームページ等で行ってきた。しかし開所後、医師の離職が相次ぎ、診察日も安定しなかったことから、広報活動に注力できていない。

令和5年度の新体制を確定し、ホームページ以外の新たな広報活動として、以下の通りあそか花屋町クリニックの医療活動を地域に周知するべく広報活動注力する。

〇地域社会への広報活動

ⅰ開明社、相愛会などの地元業者

ⅱ近隣寺院(京都教区下西組・下東組、他近隣寺院僧侶の任意団体等)

ⅲ地域の老人会、近隣クリニック

〇あそか花屋町クリニックの講演活動

ⅰがん・認知症等の医療に関する講演 ※後藤最高顧問、西崎医師

ⅱビハーラ活動に関する講演(ビハーラ僧他)

ⅲ医療ボランティアに関する講演

 (神戸国際医療交流財団のボランティア団体他)

4)新たな事務体制の構築

クリニックの事務部門において、医療事務の専門知識を有する経験者が少ない。上記①~③の実働も含め、正常な事務体制を整えることが急務である。ついては、日伸会から職員2名にあそか花屋町クリニックの役職を与え、実働者としてクリニックにおいて常時指揮を執れる体制を構築する。

【令和5年度診察日程】

時間/曜日

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

 

9:30~12:30

西崎

脳神・内科

西崎

脳神・内科
<坂口在宅>

西崎

脳神・内科

西崎
脳神・内科
青木
消化器内科・内科

坂口

内科

 

15:00~18:00

西崎

脳神・内科

西崎

脳神・内科
<坂口在宅>

西崎

脳神・内科

西崎(※)

脳神・内科

坂口

内科

※坂口医師による在宅診療については、火曜日を軸として開始する。
※木曜午後診については月に一度休診予定
※2階仏間における講演会・イベントについては日伸会と相談のうえ随時実施

<医 師>

院 長  西崎 知之(68歳)神戸大学医学部卒   ※常勤
医 師  坂口健太郎(74歳)佐賀医科大学卒    ※非常勤
青木 美博(76歳)京都府立医科大学卒業 ※非常勤
看護師  3名(非常勤)
事務員  5名(日伸会派遣2名、事務主任1名、事務スタッフ2名)
※2023(令和5)年度 経営シミュレーション表別添資料2

②見込まれる成果

1)安定した医局運営の実現

常勤医師の配置により、地域医療に貢献できる。

2)医療収益の増

西崎医師の就任により、ブロック注射等の痛みの緩和治療も行えるようになる。

職員健診、本願寺関係者の健康診断、一般の健康診断及び企業健診が充実する。

ワクチン接種(インフルエンザワクチン、コロナワクチン等)も、診察日増に伴いこれまで以上に対応できる。必要に応じて在宅診療を行うなど、より増収が見込まれる。

3)健康管理センターとしての機能充実

CTスキャンによって、認知症の早期発見と治療が可能になる。

また全般的な臓器における、ガンの早期発見も可能となる。

4)高齢化社会への対応

認知症、その他高齢者の患者受け入れを実施できる。

③日伸会との契約条件

1)(経営事務の委託)福祉会(以下「甲」という)は日伸会(以下「乙」という)に対し、京都市花屋町所在のあそか花屋町クリニックの運営改善に関する指導業務を委託し、日伸会はこれを受託するもの。
乙は、甲の依頼により本件クリニックの経営健全化を図るため、以下の業務を行う。

【指導業務内容】

①医療体制の安定化を図るため、乙の所有する医局から医師を本件クリニックに紹介する。

②新たな診療科目の設置や患者確保のための広報活動等、本件クリニックの医療事業のマネジメントに関する指導を行う。

③上記業務執行のため、乙から本件クリニックに事務職員を2名派遣する。

【派遣形態】

乙の派遣する医師については、甲が雇用する。事務職員2名については乙の所属として、本件クリニックにおいて勤務するものとする。

2)(経営権の帰属)クリニックにおける経営権は甲に帰属し、乙は甲のために経営指導を行う。※経営責任は福祉会

3)(報酬金)乙への委託報酬は、医療収入に対する25%(消費税別)の委託料を毎月支払う。ただし、医療収入が月額金150万円を下回る場合は18%(消費税別)とする。

4)(経営危機の回避)甲及び乙が、本件クリニックの運営について資金枯渇など経営危機が生じていると判断した場合、甲の要望に基づき、乙から甲への資金貸付を行うなどして、経営危機を回避するよう努めるものとする。その内容は、甲及び乙は別途覚書、金銭貸借契約の締結をもって決定する。

※覚書の内容:利子3%以下、無担保、返済期間は甲乙協議の上決定
また甲及び乙が、現状の運営で経営危機を回避することが難しいと判断した場合、甲及び乙において協議を行い、本件クリニックの抜本的な経営再建策を策定する。

5)(期間の定め)本契約の有効期間は契約締結日から令和10年3月31日までとする。ただし、本契約期間満了1か月前に甲又は乙から別段の意思表示がない場合は、同一条件において1年間に更新されるものとし、以後もこの例による。

(2)法人事務局

①理事会・評議員会の開催・運営

②日伸会との連携 

〇あそかビハーラ病院における事業譲渡契約に関すること

〇あそか花屋町クリニックの経営管理委託に関すること

③あそか花屋町クリニックにおける法人業務(運営・行政手続等)

④浄土真宗本願寺派への報告・連絡等

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