教区ビハーラが結成されたとき、「活動情報の交換と会員交流をしたい」との要望が出てきました。ビハーラ福井とビハーラ大阪の交流が始まり、福井の国立北潟病院で最初の交流会が持たれました。
そして1994(平成6)年2月に「第1回ビハーラ活動全国集会」が開催される運びになったわけです。
ここでおよそ、その全国集会の概要を一覧することにします。
ビハーラ活動全国集会 開催一覧
回 | 期日 | 開催地 | テーマ | 講師 | 分科会 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 |
1994(平成6)年 |
本山 |
目的:他教区の会員・組織との交流を深め、実状を学び、自らの活動に資するとともに今後の活動をより一層の充実を図る ことを目的とする |
基調講演 |
星野一正 |
京都大学名誉教授・医学博士 |
①組織運営に対するビハーラ活動 |
第2回 |
1995(平成7)年 |
東京 |
がん患者と家族に聞く生と死 |
基調講演 |
種村健二朗 |
国立がんセンター医師 |
①ビハーラの理念 |
第3回 |
1996(平成8)年 |
本山 |
阪神・淡路大震災こころのケアとビハーラ活動 |
特別講演 |
豊原大成 |
浄土真宗本願寺派総務 |
①いのち・・聞かせて 医療の現場で |
基調講演 |
川上範夫 |
奈良女子大文学部教授 |
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第4回 |
1997(平成9)年 |
安芸 |
『ビハーラ昨日 |
記念講演 |
早川一光氏 |
総合人間研究所所長 |
ビハーラ昨日今日明日を統一テーマに分科会を各会場にて行い、これまでの活動を振り返り、 これからのビハーラ活動を考える |
第5回 |
1998(平成10)年 |
本山 |
『いのちの讃歌-平等性を問う-』 |
記念講演 |
宮崎幸枝 |
宮崎病院 |
①電話相談 ⑤障害者ケア |
第6回 |
1999(平成11)年 |
長野 |
《生老病死と |
記念講演 |
松倉悦郎 |
フジテレビ |
①ビハーラとは |
第7回 |
2000(平成)12年 |
本山 |
いのち・共生・実践 |
特別講演 |
廖仁 |
台湾:仁愛総合医院院長 |
①ビハーラ病棟の現状 |
記念講演 |
杉本誠 |
日本キリスト教団西尾教会牧師 |
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第8回 |
2001(平成13)年 |
岐阜 |
いのち・だれのもんやな? |
基調講演 |
山折哲雄 |
国際日本文化研究センター所長 |
「トークサロン」 |
第9回 |
2002(平成14)年 |
本山 |
ひろがれビハーラの輪 |
記念講演 |
種村健二朗 |
栃木県立がんセンター主幹 「ビハーラケアとは-終末期看護で学ぶもの」 |
①ホスピス病棟でのボランティア |
第10回 |
2003(平成15)年 |
福井 |
何のため生きるのかな? |
シンポジウム |
鍋島直樹 |
「ビハーラ活動を活性化するには」 |
「トークサロン」 |
記念講演 |
永 六輔 |
作家 |
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第11回 |
2004(平成16)年10月2日(土)~3日(日) |
本山 |
ビハーラ・その求めるもの求められるもの |
記念講演 |
鎌田 實 |
諏訪中央病院 [がんばらない]けど[あきらめない] |
①がん患者・家族語らいの集い |
第12回 |
2005(平成17)年 |
熊本 |
「いのちによりそう」 |
記念講演 |
田代俊孝 |
同朋大学院教授 |
①ビハーラってなあに? |
第13回 |
2009(平成21) |
本山 |
悲しみによりそう |
記念講演 |
小西達也 |
東札幌病院 「死の臨床における心のケアとチャプレン」 |
【さまざまな悲しみに寄り添う】 |
「第13回ビハーラ活動全国集会」が2009(平成21)年1月31日・2月1日に本願寺を会場に開催されました。この参加者に対し、今後の全国集会をどのようにしていくべきかアンケート調査しました。回答者は次の通りでした。
■年令別
66歳以上 65名
52歳以上―65歳 52名
31歳以上―51歳 22名
30歳以下 8名
■男女別
男性 73名
女性 113名
不明 3名
■門僧区分
僧侶 45名
寺族 33名
門徒 67名
その他 11名
記載なし3名
参加者は、ビハーラ活動を「大体理解している」115名、「少しは知っている」31名、「知らない」4名であることからビハーラ活動に関与している方が参加した集会といえるでしょう。
全国集会に「毎回参加している」人は44名、「過去に参加したことがある」53名、「初めて参加した」54名でほぼ三分されている結果が見られます。「初めて参加した」のは、養成研修会を終えて直後の参加が多いということでしょう。それでは、どのように知って参加しているのでしょうか。「教区ビハーラに所属して」91名、「教区教務所」24名、「教区ビハーラ代表者の紹介」12名、「友人知人の紹介」11名で、ほぼ教区ビハーラや教区教務所など組織的伝達をとおして知った人が多いということが判ります。「本願寺新報で知ったから」は3名、「ポスターなどで知ったから」が3名で少数でした。
全国集会の参加目的は、大半の方は「情報交換・研讃」で、ついで「活動を知りたい」でした。「交流・親睦」も4分の1あることが分かりました。
それでは、この全国集会に参加した人たちは、「分科会」ではどのように分散したかを見ましょう。
分科会 |
分科会テーマ |
人数 |
---|---|---|
1 |
自死とビハーラ |
33 |
2 |
子どもを亡くす悲しみ |
14 |
3 |
がん患者家族とビハーラ |
46 |
4 |
葬儀法事とビハーラ |
66 |
5 |
寺院活動と遺族ケア |
29 |
6 |
在宅での看取り |
33 |
7 |
施設間交流 |
18 |
8 |
医療とビハーラ |
17 |
9 |
フリートーク |
17 |
10 |
事例発表(公募) |
20 |
11 |
ビハーラ活動の点検と課題 |
18 |
「葬儀法事とビハーラ」の参加者が最も多かったのは、この集会参加者に僧侶寺族の参加者が多かったことによると思われます。
この「全国集会」で興味をもったプログラムは、下図のようでした。
「記念講演」に対する感想を聞きますと「有意義で大変参考になりました」65%「専門的すぎて、難解だった」35%ですが、それぞれの記述内容は極めて個別的でした。
今後の全国集会の開催については、
1.隔年開催を望む 68名
2.毎年開催を望む 54名
3.3年に一度開催を望む 14名
4.4年に一度開催を望む 1名
5.その他 2名
といった記入でした。
これからの全国集会での「望むプログラム」を複数記入で求めた結果、次の通りでした。
①講演99名 ②活動報告41名 ③事例発表40名 ⑤交流会23名 ⑥意見発表21名 ⑥パネルデスカッション21名 ⑧親睦20名 ⑧研究発表20名⑩シンポジュウム19名 ⑪展示発表1名 ⑪その他1名
このように「第13回ビハーラ活動全国集会」参加者の意向を受け止めて、今後の集会が企画されるときに対応されることが望まれています。